7月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
深い疵 (創元推理文庫)読了日:07月07日 著者:
ネレ・ノイハウス
どうして僕はこんなところに (角川文庫)旅人であり紀行作家なのかと思っていたが、この本を読んでそんな狭いカテゴリーにはおさまりきらない人なのだということがよくわかった。おさめられているのはチャトウィンの旅なのだけれど、そこに描かれるのはいろいろな意味でやはり旅している人々であり、景色の今に至るまでのある意味での旅(=歴史)である。対象に対するまっすぐなまなざしとそれを支える博識が印象に残る。
読了日:07月08日 著者:
ブルース・チャトウィン
罪悪読了日:07月10日 著者:
フェルディナント・フォン・シーラッハ
北西の祭典 (セルバンテス賞コレクション)読了日:07月11日 著者:
アナ・マリア マトゥテ
またの名をグレイス 上読了日:07月12日 著者:
マーガレット アトウッド
またの名をグレイス 下以前原書を読んだので再読。新聞記事や人々の噂話ではなく、「本人に語らせる」ことがいちばんのテーマなのだと思う。その点では、立場は逆だけれど、ダーチャ・マライーニの『声』を思い起こす。しかし、本人が語ったからといって、それが真実とは限らない。というのも、そもそも記憶は真実ではないし、グレイスにしても話したいこと、知られたくないこと、相手を喜ばせるために言ったり言わなかったりすることがあるからだ。それが、この小説を靄がかかったようにしている。とはいえ、グレイスの語る19世紀の暮らしぶりは読んでいて楽しい。
読了日:07月15日 著者:
マーガレット・アトウッド
シンポジウム今年はミュリエル・スパークを読むぞと思っていながら、半年も過ぎてしまったところでようやく初スパーク。画家とそのパートナーである裕福な未亡人が催すディナーパーティーに集まる10人の人となりや暮らしぶりなどがそれぞれに描かれ、そこに強盗と殺人事件が絡みながら、ディナーパーティの日に収斂していく。登場人物はみな揃いも揃って俗物で変人だが、実際に身の回りにいそうなたぐいである。それを突き放した筆致で描いていくのがスパーク流なのか。辛辣な喜劇。
読了日:07月16日 著者:
ミュリエル スパーク
ディフェンス堪能した〜◎
読了日:07月18日 著者:
ウラジーミル ナボコフ
失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選 (光文社古典新訳文庫)読了日:07月21日 著者:
フリードリヒ・デュレンマット
ふくろうの眼 (文学の冒険)ふくろうの眼を持つ不眠の郵便配達人が語る24の物語。郵便配達人自身の物語と彼が聞き知った(透視した?)エピソードが交互に語られる。豊穣なる物語世界。
読了日:07月25日 著者:
ゲルハルト ケップフ
死を忘れるなミュリエル・スパーク第2弾。簡単に言えばおじいさん・おばあさんたちの群像劇(ざっくりすぎw)なんだけど、鋭く辛辣で、しかもなんとはなしにユーモラス。「死を忘れるな」が「どう生きるかを常に考えよ」であるならば、年齢は関係ないんだよね。老人を研究しているおじいさん、アレック・ウォーナーがラブリ〜♪
読了日:07月28日 著者:
ミュリエル・スパーク
カスティリオーネの庭 (講談社文庫)清の乾隆帝に画師として仕えるカスティリオーネは、時刻ごとに水を噴き上げる仕掛けの噴水、西洋楼の建設、数々の布絵の制作といった、次々と下される帝の無理難題に応えていく。噴水のひとつから人骨が発見されたり、不思議な大道芸人が登場したり、ミステリー、幻想的な趣もかすかに漂わせつつ、西洋人たちの虜囚のような暮らしの悲哀、絶大な権力を背景とした宮廷生活が活写されて興味深い。数年前にニュースをにぎわせた「円明園十二生生獣首銅像」bit.ly/jUzMog に関心のある方はぜひ。
読了日:07月30日 著者:
中野 美代子
エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)読了日:07月31日 著者:
アランナ・ナイト
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