Spalovač mrtvol / 1968 / チェコスロバキア
1930年代末のプラハ。火葬場に勤めるコップフルキングル氏は酒も煙草も嗜まない真面目な人物であり、家族思いで礼儀正しい。自分の仕事には火葬をチベットの書を引くほど誇りを持っている。そんな彼が友人にナチスの思想を吹き込まれ、感化された結果...
ラジスラフ・フクス の『火葬人』の映画化。
不気味な映画だ。一見コップフルキングル氏はナチスに感化される前後でまったく変化していない。しかし、彼のふるまい、言葉が意味するものは前と後ではまったく異なるものになってしまっている。そして、その後の行動にもまったく躊躇がない。利己的というのでもなく、自己肯定感、自己正当化の恐ろしさか。
この映画はまたはっとするほど斬新だ。とても50年も前のものとは信じられない。カメラワークがすばらしい。アングル、そして場面転換。黒の強いモノクロームもまた美しい。
機会があったら、ぜひ観ていただきたい映画
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