7月の読書メーター読んだ本の数:14
アーサー・ミラー全集 1 みんな我が子 セールスマンの死の
感想まだ観に行けてない映画「セールスマン」の予習として「セールスマンの死」だけ急いで読んだ。現実におしつぶされていくウィリーが切ない。とはいえ、一向に現実を見ようとしないところはどう考えればいいのか。現実に押しつぶされてしまったからこそありえたかもしれない夢や理想にしがみつくのか。期待に応えられない子供(特にビフ)もまた不憫だ。
読了日:07月09日 著者:
アーサー・ミラー儀式読了日:07月10日 著者:
セース・ノーテボームテラ・ノストラ (フィクションの楽しみ)読了日:07月14日 著者:
カルロス フエンテスピンポン (エクス・リブリス)の
感想いじめられている二人がシニカルに淡々と(でも涙をこらえつつ)自問自答を繰り返しながらピンポンに出会い、最後は人類の未来をかけた大一番まで行くストーリーをとても楽しく読んだ。にしても、作中で語られるジョン・メーソンの小説の楽しいことったら。口語による斎藤さんの翻訳もとてもいい。
読了日:07月15日 著者:
パク・ミンギュ夫婦の中のよそものの
感想アレクサ・カリムとその両親を主人公とするいわゆる連作の表題作他4編とそれ以外2編をまとめた短編集。中でも「蛇に抱かれて」はいちばん映画監督クストリッツァらしいと思った作品だが、あとがきによれば映画「オン・ザ・ミルキー・ロード」の原案になった作品らしい(映画の公式サイトを見ると実際には映画では物語がずいぶん変えられている)。他の5編は旧ユーゴスラビア、ボスニア・ヘルツェゴビナの暮らしが垣間みられるのも楽しく、主人公とその家族への温かなまなざしとユーモアが印象的だった。
読了日:07月16日 著者:
エミール・クストリッツァクレモニエール事件の
感想母を殺したとして服役した父の冤罪が娘マリ・エレーヌの努力ではらされる。しかし、無罪を勝ち取った父はどこか冴えない。結末は容易に想像がつくが、毒を含めたマリ・エレーヌの心理が繊細に描かれる。マリ・エレーヌを「ダウントン・アビー」のメアリー役のミシェル・ドッカリーをキャスティングして読んだ。
読了日:07月16日 著者:
アンリ・トロワイヤ図書館情調 (シリーズ紙礫9)の
感想図書館をめぐるアンソロジー。 菊池寛「出世」、宮本百合子「図書館」を読むと、かつて図書館では入館料(特別入館料というのもあった)があり、下足番がいて、婦人閲覧室などというものもあったらしい。中島敦の「文字禍」はゲシュタルト崩壊を描いていておもしろかった。それにしても昔の作家の日本語を読むと背筋が伸びる。
読了日:07月19日 著者:
雪盲: SNOW BLIND (小学館文庫)読了日:07月21日 著者:
ラグナル ヨナソンJ・G・バラード短編全集3 (終着の浜辺)読了日:07月22日 著者:
J・G・バラードHERE ヒアの
感想時は積み重なり、決して過ぎ去らない。
読了日:07月22日 著者:
リチャード・マグワイアシリアからの叫び (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズII-15)の
感想いかに知らない間に突然戦争になることか、いかに人間は他者を簡単に蹂躙することか、蹂躙された側はいかに根底から壊れてしまうものか、いかに日々の当たり前の暮らしがもろく、そして得難いものか。言葉も無い。
読了日:07月22日 著者:
ジャニーン・ディ・ジョヴァンニ大江健三郎自選短篇 (岩波文庫)読了日:07月25日 著者:
大江 健三郎6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (ハーパーコリンズ・フィクション)読了日:07月27日 著者:
ジャン=ポール ディディエローラン海に投げこまれた瓶の
感想当時のアルゼンチンの事情を意識したような作品が多いのが新鮮だった。自作とビオイ・カサーレスの作品との対比を盛り込んだ、短編小説とも短編小説についての解説とも判然としない「ある短篇のための日記」がなぜかいちばんよかった。
読了日:07月29日 著者:
フリオ・コルタサル------------------------------------------------------------